被ばく線量とがんを発症する人数増加の関係
まず、結論から書くと
今回の東京日野市の場合、(3月22日「東京都日野市の放射線量徐々に上昇」参照)
今の状態が約274年続いた場合、がんを発症する人が1%増えるという結果になった。
以下その計算の過程を書く。
発がんと被ばくした放射線量との関係
広島・長崎の被ばく者の追跡調査から、200ミリシーベルト以上の被ばくで被ばく線量と発がん率が比例していることが分かっている。急性被ばくの場合、50ミリシーベルト以上で発がん率の増加が関連しているらしいことが指摘されているが、はっきりとはしていない。
極めて低い線量を被ばくした場合の確率的影響について
極めて低い線量を被ばくした場合の確率的影響については実証が難しく、はっきりとはしていないが、放射線を管理する上では安全を重視する立場から、被ばくした線量と確率的影響がでる確率とは比例すると考えるのが一般的。国際放射線防護委員会(ICRP)では発がんに関しては比例係数を0.05としている。つまり、1シーベルト(=1000ミリシーベルト)増加すると、がんを発祥する人が5%増加するということ。
*広島・長崎の被曝者の追跡調査からは、50ミリシーベルト以下では、この直線関係は成立していない。
集団積算線量
放射線量とその線量を被ばくした人数をかけたもの。単位は[人・シーベルト]
例) 100ミリシーベルトの線量を200人が被ばくした場合
100×200=20000[人・ミリシーベルト]
1マイクロシーベルトを2000万人が被ばくした場合
0.001×2,000,000=20000[人・ミリシーバルト]
ICRPで用いられているの比例係数をかけると、いずれの場合も1人ががんを発症するということになる。
東京都日野市の今回の増加の場合
3月22日の日野市のグラフを見ると、約10CPM増加している。10CPMは10/120[マイクロシーベルト/時]。この状態が何時間続くと、がんを発祥する人が1%増加するかを計算すると、
ICRPの比例係数では1000ミリシーベルトごとで5%なので、200ミリシーベルトで1%増加することになる。
今回10/120[マイクロシーベルト/時]増加しているので、200ミリシーベルト(=200,000マイクロシーベルト)の線量を被ばくするのにかかる時間は
200,000*120/10 = 2,400,000時間 = 100,000日 = 約274年
つまり、今の状態が約274年続いた場合、がんを発症する人が1%増えるということ。
うん、全然心配する必要ないね!心配してストレスためるほうが、発がんのリスクを高めてしまうくらいかも。
<参考>
確定的影響の例、発がんと被ばく線量の関係、極めて低い線量を被ばくした場合の確率的影響について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D#.E7.A2.BA.E7.8E.87.E7.9A.84.E5.BD.B1.E9.9F.BF
ICRPの発がん率の比例係数
http://homepage3.nifty.com/anshin-kagaku/sub040908esikondo.htm
その他
http://www.nisa.meti.go.jp/word/6/0123.html
コメント