ベクレルとシーベルト
厚生労働省の3/23日未明の発表では、田村市のほうれん草1kgあたりから約4万ベクレルの放射性セシウムが検出されたそうである。
これが人体にどれほどの影響を与えるのか、計算してみると、
このほうれん草100gを365日食べ続けたことによる50年間の被ばく線量で、がんを発症する人が0.095%増えるという結果になった。
預託実効線量(H)
預託実効線量とは、放射性物質を体内に摂取して、50年間に受ける実効線量を積算したもの。50年間でトータル何シーベルトになるかをあらわす。
計算式
H=1日当たりの摂取量(kg)*実効線量係数(mSv/Bq)*放射性核種の濃度(Bq/kg)*日数
実効線量係数:セシウム137 1.3×0.00001(mSv/Bq)
ヨウ素131 2.2×0.00001(mSv/Bq)
田村市のほうれん草の場合
今回、1kgあたり約4万ベクレルの放射性セシウムが検出されたとのことなので、
実効線量係数=1.3*0.00001(mSv/Bq)
放射性核種の濃度=40000(Bq/kg)
厚生労働省の「平成21年国民健康・栄養調査結果の概要について」によると、成人の緑黄色野菜の1日あたりの平均摂取量が約100gであるので、仮に1年間、緑黄色野菜を全部ほうれん草で摂取した場合で考えてみると、預託実効線量は
H=0.1(kg)*1.3*0.00001(mSv/Bq)*40000(Bq/kg)*365日=18.98mSv
つまり、放射性セシウム137が4万ベクレルのほうれん草を100gを365日食べ続けたことで、50年間の間に、体内で被ばくする放射線量は約19.0ミリシーベルトということになる。
国際放射線防護委員会の比例定数を用いると、200ミリシーベルトの放射線量を被ばくすることで発がんを発症する人が1%増えるということなので、19.0ミリシーベルトでは0.095%増えるということになる。
結論 放射性セシウム137が4万ベクレルのほうれん草100gを365日食べ続けたことによる50年間の被ばく線量で、がんを発症する人が0.095%増える。
<参考>
預託実効線量について
「平成21年国民健康・栄養調査結果の概要について」
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